旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
「ええっ、熱中症!?」


もう大丈夫なの?と今更のように心配する桂さん。
ええ、もう平気なんですけどね…と話すと胸を撫で下ろし、用心なさいよ、とアドバイスしてくる。


「今日も暑くなるって言ってたから。未彩ちゃんいつも長袖着てタオルとかも首にしっかり巻き付けてるでしょ。そういう人って、汗かいてるの気づき難いのよ。また同じことにならないようにしっかり水分補給して仕事してね」


呉々も注意して、と社長以上に注意され、気をつけます…と笑って返した。
自分でももう二度とあんな頭痛や寒気を感じたくないし、皆藤さんのいない場所でまた具合が悪くなっても助けてなんて貰えないから。


一昨日は家で良かった…としみじみ思いながら現場へ行った。

外での作業は二日ぶりでしんどかったけど、土に触れるとやっぱり気が紛れて、ガーデニングはいいな…と実感する。


(こんな風に皆藤さんとも植物を通して触れ合えたらいいな)


そうすればもっと仲良くなれるのにな、とつい考えてしまう。

だけど、皆藤さんは庭づくりには興味もないんだから、そんな事思っても無駄なのに……。


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