旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
その表情を見つめながら、私は何だ?と首を傾げ、まあ別にいいか…と思いながらビールの入ったグラスへと指先を伸ばす。


「あの…」


顔を上げると彼は声をかけ、唇からとんでもない言葉を発した。


「酒井さん、俺と結婚して家の庭づくりをやりませんか。
俺は庭については全く知らないし、手伝えるかどうかも分からないけど、少なくとも、酒井さんが思うような庭作りをしても、絶対に文句なんて言わないと約束できますよ」


何でも好きにやっていいし、多少お金が掛かっても大丈夫だから…と甘い誘惑を添えてくる。



「えっ…」


あれ悪い冗談じゃなかったの!?と驚いた私はポカンとし、その言葉の羅列を思い出しながら、「はぁ!?」と大きな声を発して相手の顔を見返した。



「私が貴方と結婚!?」


悪い冗談はよしてよ、と思いながら見つめるが、彼は大真面目な顔つきで頷き、そのつもりで社長さんにも返事をしてたんだが…と言い返す。


「俺の条件に、酒井さんはピッタリなんですよね。だから、結婚できればラッキーだなと思ってるんですけど」


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