旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
「そんな言い方したら、貴方のこぼしてた愚痴、全部彼女に教えちゃうわよ」


こっちの方が部が大きいだからね、と負けずに言い返してる。

そのやり取りを聞いてる私は二人の関係性がますます親しいものだと感じてしまい、落ち込みそうになる前に、居た堪れない気持ちが膨らんで席を立ち上がりそうになった。



「…ねぇ貴女、知ってる!?」


いきなり標的を私に変更したみたいに話しかけてくる彼女。
その声にビクッと肩を震わせ、端正に整った顔立ちを見て喉を詰まらせる。


スーッと伸びた高い鼻は人工的なものじゃない。尖った顎のラインも薄い唇も、全てがまるで彫刻のように綺麗でクールな感じの人だ。


こういう人なら、大抵の男性はメロメロになってしまうんじゃないだろうか。

女性の私でも目を奪われてしまうくらいに綺麗な顔立ちなんだもん、男性の皆藤さんが放っておく筈がない。


やっぱり負けだ…と早くも白旗を上げながら目線を向けてると、その薄い唇の端がキュッと上がり、その隙間からこんな言葉が……。


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