旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
自分の知り合いにこんな類の人がいるのが恥ずかしいのか、頬まで薄っすら赤く染めてる。


「君が言ってたあの甘い香りのことだけど、それって多分、こいつが振ったあれのことじゃないかなと思うんだけど」


ちらっと目線を上に向け、カウンター内に立つノッポなママを視界に入れる。


「俺もこいつが言うことを真に受けちゃって。それに未彩さんも何も言ってこないから、きっと知ってるもんだと思ってたんだ」


何のことだがサッパリ分からないけど弁解してる。
でも、私はさっきから彼が言ってる、あれの正体が掴めなくて……。


「あの…あれって?」


私が知らないものって何?
それは私だけが知らなくて、普通の人は結構知ってるものなの?


ポカンと見てると逆に呆気に取れた顔をされる。
すると、カウンター内に立つママがポンと手の平を打ち、「ああ!もしかしてアレのこと!?」と口を挟んだ。



「……ほら、これのことでしょ」


カウンターを出てドア付近にあるポールハンガーへ移動。
そこでフックに掛かってるピンクのボトルを取り上げ、ハンドルを握り、シューッと噴霧されて出てきたものは……。


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