旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
何の弁解?と思いながらも、意味も分からず彼の弁解を聞く羽目になる。
ポカンとした顔つきでいる私を見ると、スルリと視線を外した皆藤さんは__


「俺が未彩さんとお見合いすることにしたのは、自分の条件に君がピッタリとハマると思ったからなんだ。庭づくりができる女性。その条件に君が合うと社長の永井さんが教えてくれて、それで、それだけが目的で君に会いに行った」


そう告げると、ワインのグラスをぎゅっと握る。その仕草を眺めて、私はまた彼に目線を戻した。


「あの家を継ぐと決められた時、祖母から一つだけ条件を出された。
自分の伴侶と一緒に庭を守り、そして作って、継いでいって欲しい……と。
その為の資金はちゃんと用意してあるし、相手が決まったらそれを俺に渡すつもりもあると言われた。
でも、俺はそんなことを言われても家を継ぐ気はないと断った。
いくら祖父からの遺言だからと言われても、自分にとっては、あの大きな家は負担にしかならないと感じたんだ。

それでも…と祖母が懇願するから仕様がなくあの家に住み始めた。だけど、ガーデニングと違って、庭づくりを趣味にしてる女性(ひと)は見つからなかった。

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