旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
俺は探すのも面倒くさくて、仕事にのめり込んでいった。
仕事が忙しければ、それを理由に相手を探さなくても良くなる。そう思って、庭から遠ざかっていったんだ……」


自分が住み始めた頃、既に雑草が生い茂って綺麗な庭ではなくなっていた。それが悲しくもあり、寂しい気もして目を伏せた…と彼は話した。


「俺は自分の務めを果たさず、ずっと怠けてたんだ。祖母に頼まれたのは迷惑事。そんなふうに考えて庭に目を向けなかった。でも、あのお見合いの頃、祖母の具合があまり良くないと聞かされて、いい加減何とかして相手を見つけないとマズイと感じた。

祖母がまだ元気でいるうちに何とか相手を見つけて、前のような庭にしてやらないと駄目なんじゃないかと焦った。

それで、君との見合い話に乗っかって出かけたんだ。
庭づくりができる、そういう勝手な条件に、ただ君を巻き込んだだけなんだよ」


動機が不純で本当に申し訳なかった…と謝ってくる。
そういう彼の言葉を耳にしながら、ああ、条件ってそれだったのか…と改めて知った。


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