旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
(まあね、庭づくりなんて、そう簡単に出来ることじゃないもんね)


庭木の手入れとか雑草の草刈りとか一日中やっても終わらないことも多い。
それに、ずっとしてたら腰も痛いし、手も荒れて陽には焼けて、女子にはいい事なんて一つもない。


(小さい頃は、私もそう思ってたんだ)


祖母が一生懸命水遣りをしてるのを見て、物好きだな…としか思ってなかった。

綺麗な花を咲かせたり、緑をイキイキと育てるのは、管理が大変だということを何も知らずにいた。


そういうことも植物への興味も全部、祖母が私に教えてくれた。

庭への思いをかき立てさせ、それを私の仕事へと導いてくれた。

私が今、この仕事をしてそれを生き甲斐に感じてられるのは祖母のおかげ。

植物への愛情が、私の庭づくりの原点になってる……。


(皆藤さんの気持ちも何となく分かるよ。人と同じ様に、多少は庭を大事にしたいと思ってくれたんだよね)


動機は不純だったけど、私に出会ってくれた。

それだけで何となくいい気がするし、自分もそこには打算があったから、それはそれで、おあいこなんじゃないかな…とこっちは思ってたのに……。


< 197 / 225 >

この作品をシェア

pagetop