旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
皆藤さんが住んでるのは住宅地の一角で、そこら辺は高級住宅ばかりが建ち並んでると社長からは聞いている。

だから、きっと庭も広くて立派な家ばかりだろうと期待しながら街並みを見てると、角を曲がった辺りから一軒辺りの敷地面積が広くなり、立派な門構えの和風建築や青々とした芝生が広がる洋館なんかが目に入ってきて息を飲んだ。


どの家の庭もそれぞれ趣向が凝らしてあり、今日から自分もこの一角に住めるのか…と思うと益々胸が弾み、こりゃ負けてらんないというか、張り切らなきゃ…と決意を新たにして車窓の景色を見入っていた。



タクシーはその一番奥にある白壁の前で止まった。

皆藤さんは「先に降りて」と言うと、自分のポケットからカードを取り出して代金を決済してる。

それを横目にタクシーを降りると、目の前には木で出来た門構えが見え、その木がちょっと古そうと言うべきか、かなり古そうにも見えて、ん?と眉根を曇らせた。


(そう言えば、旧家に住んでるとか言ってた)


社長の話を思い出し、旧家ってつまり、ただの古い屋敷?と思いだす。

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