旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
どれくらい古い?と思うと、まさかお化けなんて出てこないよね…と嫌な予感までしだして、ええっ、それならやっぱりやめておけば良かった…と今更のような後悔が胸に忍び寄ってきた。



「お待たせ。行こうか」


タクシーを降りた皆藤さんは私の不安などつゆ知らず、平気でその古びた門に手を掛ける。


「あの…」


つい呼び止めてしまい、彼が不思議そうに振り返った。

でも、その顔を見ると、まさか幽霊なんて出ませんよね!?とバカな質問もできず、いえ何でも…と言うと手を握り、ごくっと唾を飲み込んで覚悟を決めながら足を前に踏み出した。



「行きましょう」


歩きだした私は彼が開けた門の隙間を抜い、敷地内に足を忍ばせた。
一歩足を踏み入れると中は案外とまともで、砂利道の上には飛び石が置かれ、それなりにしっくりとした和風アプローチが作られてあった。



(なんだ…古いのは外側だけか)


良かった…と安堵したのも束の間、今度はやたらと大きい屋根に気づき、えっ…とまた立ち止まる。
目線を下げると白壁で出来た平屋建ての屋敷が見え、それがまた想像以上に大きいと言うか、広くて思わず絶句した__。


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