旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
「ああ…未彩さん」
気づいたらしい彼が微笑み近付いてくる。
その様子を見つめたまま私は胸を鳴らし、「はい…」と何も考えずに返事をした。
「まだ寝ないだろ」
側へ来ると問い掛けてくるが、私は途端にハッとして、今夜は彼の雰囲気に呑まれてはいけない…と気を引き締め直す。
「話でもしよう」
ようやく時間が取れたから、と続けてくるけど、私はやっぱり怖気付きそうにもなって__。
「…うん」
返事をしたものの少し迷いだす。
何処へ行こう…迷う彼を見上げながら和室へ行かれるとマズいとだけ気づき、それ以外の場所と言えば何処が適当だろうか…と思いを巡らせた。
(そうだ!)
彼処がいい!と思い出して、「皆藤さん」と呼ぶ。
呼ばれた彼は振り返ると唖然とし、その顔を見た私はキョトンとして、次にハッとして思い出した。
(いけない!私ももう皆藤だった!)
しまった…と思うがもう遅い。
彼はコホンと咳払いをすると私の手を取り、「未彩さんももう皆藤だよ」と笑った。
気づいたらしい彼が微笑み近付いてくる。
その様子を見つめたまま私は胸を鳴らし、「はい…」と何も考えずに返事をした。
「まだ寝ないだろ」
側へ来ると問い掛けてくるが、私は途端にハッとして、今夜は彼の雰囲気に呑まれてはいけない…と気を引き締め直す。
「話でもしよう」
ようやく時間が取れたから、と続けてくるけど、私はやっぱり怖気付きそうにもなって__。
「…うん」
返事をしたものの少し迷いだす。
何処へ行こう…迷う彼を見上げながら和室へ行かれるとマズいとだけ気づき、それ以外の場所と言えば何処が適当だろうか…と思いを巡らせた。
(そうだ!)
彼処がいい!と思い出して、「皆藤さん」と呼ぶ。
呼ばれた彼は振り返ると唖然とし、その顔を見た私はキョトンとして、次にハッとして思い出した。
(いけない!私ももう皆藤だった!)
しまった…と思うがもう遅い。
彼はコホンと咳払いをすると私の手を取り、「未彩さんももう皆藤だよ」と笑った。