涙のち、銃声
刑事さん・・・・。
マスコミに暴露したところで何になる・・?
確かにあんたの言う通り、
腐った組織が変わるかもしれない。
大石が失脚し、
息子を逮捕できるかもしれない。
でも・・・俺はそんな事望んじゃいないんだよ・・・。
ヒロコは・・・俺のどん底の人生を一瞬で“幸せ”に転換してくれた・・・
俺にはもったいなさ過ぎる女だった。
この世で最も愛した女を俺から奪い、
救急車も呼ばずに立ち去った大石シンヤ。
その罪を隠蔽した大石テツヤ市長。
俺は絶対に許さない。
ヒロコの仇は絶対に俺が取る・・・・。
「強制はしねぇ。
実行すれば晴れてお前らも俺も大犯罪者だ。
退職金はきっちり出す。
だから嫌な奴は今すぐ逃げ出してくれ。」
「「「「「・・・・・」」」」」」
しばらく静寂が包んだが、
誰一人として動こうとはしなかった。
涙がこみ上げてくるのを必死に我慢した。
このバカ共の視線が、決意が、
俺の気持ちを固めさせてくれる。
「お前ら・・・・。
俺と一緒に・・死んでくれるか?」
“おぉ!!!!!!!!!!!”
狭い集会所が揺れた。
地震ではなく、
こいつらの気迫がこの地を揺らせた。