白拍子と夏日の風鈴。
「白拍子。ライン追加はこちらへ」

なんだろ?

にこにことしている女性。
白拍子だ。

「あのどちらへ行かれるんですか?」

「巡検です」

「えーと」「分かりやすく言うと地形調査ですね」

あめ玉が手渡される。

苦い。

薄荷だ。

おばあちゃんは昔よくあめ玉をくれた。いっしょに暮らしていたのだった・・・
そのあめ玉と少しも似ていない。

「貴女はどちらへ?」「祖母の面会です」

「そうですか」

と銅の小さな風鈴が手わたされる。

「風の通るところに置かれると喜ばれると思いますよ」と白拍子。

「そうですよね」

そんなことでおばあちゃんは良くなるの?

風鈴をカバンに仕舞う。

バス停。

あたしは白拍子との挨拶もそこそこにバス停に降りる。



と路上、風鈴を取り出す。
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