COLOR



「なつ…………」

「冬華、彼氏いる?悪いけど別れてほしい
もう、限界なんだ」


彼氏がいてても関係ない


「なつ…………それ、ないよ………」

「え、」


俯いていた顔を上げれば、真っ直ぐ見つめる冬華の瞳とぶつかった

俺はその時初めて現実を受け止めれたのかも知れない
どうしようもない、情けない俺への


最大の罰


「私がなつともう一度付き合うなんて
考えられないし、絶対ないよ」

「冬華…………」

「呼ばないで!」


冬華の瞳からはポロポロと涙が流れていく
それは、冬華の悲しみ


「もう二度と、会いたくない」


冬華はそう言うと立ち上がって部屋を出て行った
俺は追いかける事が出来なかった


解ってなかったんだ
俺は自分の犯した罪の重さを
どれ程、冬華を傷付けたのかを

冬華の真っ直ぐな瞳に気付かされた


「お兄ちゃん!冬ちゃんが!」


扉を勢いよく開けて飛び込んできた秋月


「春ちゃんが止めてくれてるよ!お兄ちゃん?」


下からは何やら騒がしい声が聞こえる
春月が冬華を止めているのだろう


「もう、ダメだよ」

「え、」

「俺、」


冬華の目は俺を拒否していた
あんな、裏切り方をして
傷付けた俺を許さない


冬華が俺に戻ってきてくれる事はもう二度とないのだと改めて思い知らされた



俺は本当に一人になってしまったんだ







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