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WHITE 理解



ゴンッと凄まじい音と共に頭に強い衝撃



「いってぇー」

「お前は何やってる!」

「お、お父さん!?」


その衝撃の正体は父さんからの拳骨
それに驚いたのは秋月
それほどに今の父さんの怒りがMAXなのだろう


「冬華ちゃんの事好きじゃないのか?
だから、今日連れてきたんじゃないのか?
中途半端な事して冬華ちゃんを傷付けるんじゃない!」

「父さんに………父さんに何がわかるんだよ!
冬華は俺には二度と会いたくないって!
泣いてんだよ!」

「当たり前だ!
冬華ちゃんを傷付けたのはお前だ!
秋月と春月からお姉さんを取り上げたのも!
俺たちから冬華ちゃんを取り上げたのもな!
お前の行動がみんなを傷付けたんだ!
みんなを傷付けて、大事な人を取り上げといて!
お前は何をやってる!」

「お父さん……………」
「………………」

「所詮はそんなもんなんだな
お前の気持ちは
妹達の方がよっぽど素直だ!
春月は"行かないで!"って冬華ちゃんを止めてる
泣いてる冬華ちゃんに、身体全部で!
それなのに、お前は!
そこで項垂れてるだけか!」

「………………」


父さんは座り込んでる俺の頭を撫でた
その温もりが優しくて、涙が溢れてくる


「痛かったか?
悪かったな
でも、冬華ちゃんは、みんなは、もっと痛い
お前は傷付けた分、追いかけるしかないだろ?」


俺は顔を上げた
悲しげな父さんに、泣き顔の秋月




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