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「秋月がずっと探してました
自分には大事なお姉ちゃんがいると
会いたいって、結婚式にも出て欲しかったって
でも、一週間前に見付かったって聞いて
それなら延期しようって言ったのは僕なんです
ただ、すぐに入籍と一緒に住むことを条件にね」

「それでも、俺の事情で…………
そちらの出席者にも失礼じゃ……」

「秋月がお姉さんの様に慕っていた人だと聞きました
いつも、冬華お姉ちゃんはね!と懐かしそうに話してました
弟たちも、喜んでましたよ
春月ちゃんも同じように話をしていたので」


実はこの、旦那様のご実家は社長さん
まぁ、誰もが知ってる老舗企業の
秋月よりも一回り上だが、イケメンで優しく出来た人だ
そして、なんとこちらも双子で弟と春月が付き合っている
そちらも近々結婚するだろう


兄としては何とも複雑
大事な妹をサラッと奪った兄弟だ



「俺が秋月にベタ惚れなのは知られてますから延期に関しては何も問題ありません
秋月は延期なんて言わなかったんですよ
だから、秋月は怒らないでやってください」


二人で挨拶に来た時も、延期にした費用も勿論旦那さんが負担すると言って
秋月が延期すると言ったのに、両親は面食らってしまって


「秋月が延期すると言ってるのにどうして」

「秋月、そんなこと言ったのか?
俺が延期を申し込みました
申し訳ありません」


そう両親に頭を下げた旦那を思い出す
秋月を凄く大事にしてくれている





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