全てを愛して
猛「えっと・・・心愛ちゃん??」
「・・・怒りませんか??」
猛「怒るわけないよ。心配はするけど・・・どこか悪いの??」
「ここ1週間、忙しくて忙しくて・・・3日間くらい寝てない日もあって・・・一昨日の夜倒れちゃって・・・」
猛「倒れた!?」
「過労と・・・」
猛「過労と??」
「栄養失調で・・・」
栄養失調??
今のご時世そんなもん珍しい話だけど・・・
猛「1週間・・・何食べてたの??」
「・・・じ・・りー・・・」
猛「え??何??」
「10秒・・・チャージゼリー・・・」
猛「・・・・毎日??」
「毎日じゃないですよー!!食べない日もちゃんとありました。」
いやいや、どや顔おかしいでしょ
猛「じゃあ腕の注射の跡は??」
「点滴の跡です。」
猛「点滴・・・」
「仕事中だったんで凌ちゃんが運んでくれて・・・」
猛「凌ちゃん??」
「私の大事な人なんです。」
大事な・・・
人・・
「いつも怒られちゃうんですけどねー。でもいつも帰ったらごはん作ってくれてて。」
猛「ごはん・・・」
えっ、同棲してる!?
「そのごはんがまた美味しくて、女の私よりうまいなんて許せないですよねー。」
彼氏いたなんて知らなかったな・・・
なんか俺浮かれてたな・・・
会ってくれるから彼氏はいないのかと思ってた・・・
猛「・・帰った方がいいよ・・・彼を心配させたらいけないし。怒ってただろ?」
「・・・嫌です。」
猛「まだ入院してたんだろ??だったらこんな所にいたら、休まらないし・・・」
「今日で退院だったんです。どうしても今日帰りたかったから・・・」
猛「どうして??」
心愛ちゃんが恥ずかしそうに下を向いた・・・
「だって・・・今日約束してたし・・・」
猛「・・でも彼優先じゃ」
ピリリリリ
「今度はこっちか・・・・・・すいません・・・もしも・・」
[ばっかやろーーーーーー!!!!]
また男!?
[お前!!!どこいんだよーーーー!!!!]
「だから声大きい・・」
[ほっ!!発作出てないか!?薬も飲まないでどこ言ってんだよーーー!!!!]
発作??
「会社行って」
[ばかーーーー!!!こんな時に仕事してんじゃねーばーーーーかばーーーーか!!!!]
「ばかばかうっさい!!!ばーか!!!」
ブチッ
「二人揃ってなんなの!?ムカつく!!」
あれ??
彼氏二人??
ん??
「す・・・すいません・・・」
猛「え・・・今のは・・誰なの??」
「彼も大事な人です。彼もごはん作ってくれたりするんですけど、ちょっとこっちは下手くそで。」
彼氏が二人もいるなんて・・・
もしかして思ってた子と違う??
いやいや、この子はそんな子じゃないぞ。
「でも・・・とても大事な人です・・・」
ズキン
凄く綺麗な笑顔だけど・・・
自分に向けられたものじゃない・・・
猛「心愛ちゃんはさ・・・どうして俺と会ってくれるの??」
「んー・・・楽しいし、一緒にいて落ち着くし・・・理由はないんですけどね。」
猛「・・・・俺は下心丸出しだよ・・??」
「え??」
猛「例え君に彼氏がいたって・・・会いたいし、できれば奪いたいと思ってるような奴だよ??」
「??奪う??」
猛「俺は君のこと・・・好きだと思ってる。こんなに人を好きになるのは初めてなんだ・・・彼氏がいてもいい!!3番目でもいいから、俺と付き合ってくれないかな??!」
「3番でいいんですか!?」
猛「順番だからね・・・」
「??え、順番??」
猛「俺では・・・駄目かな・・・」