全てを愛して
家に帰る気にはなれず、いつものバーでお酒を飲む。
ここは本当に静かだ・・・
ピリリリリ
「・・・珍しい人から電話だ・・・・・もしもし??」
佐「おう、心愛ー、俺だー。」
「佐伯さんお久しぶりですね。」
佐「本当に久しぶりだな。」
「海外でお仕事されてるって聞いてましたけど、戻ってきたんですか??」
佐「あぁ、そりゃあもうすぐだしな。それでよ、お前いつなら大丈夫だ??」
「え??何がですか??」
佐「何がって打ち合わせだよ。」
「打ち合わせ!?何のですか??」
佐「なんだ聞いてないのか??これだからあのガキ共は話になんねーな。」
「ガキ共??」
佐「桐生と錦だよ。」
「うちの二人が、何かやらかしたんでしょうか??」
佐「今度のTHREEDAYSのコンサート、俺が演出することになったんだけど、俺はお前に頭で入ってほしい。」
「・・・私は担当者じゃありませんが??」
佐「わかってる。だがあの二人では話にならん。ちょっと複雑なトラスを組みたいんだが、あいつらでは心配だ。お前ならやれるだろ。」
「まぁ・・・やれますけど、あの二人も十分優秀ですよ??」
佐「わかってるがな。でもお前とまた仕事がしたいんだ。お前しかいない、今まででこんな仕事もプライベートも話が合うやつは初めてだからな。どうだ??受けてくれねーか??」
THREEDAYSか・・・
何でこうも忘れさしてくれないのかね・・・
しかしまぁ・・・
「佐伯さんのお願いを断るなんてありえませんよ。お受けします。打ち合わせは、明日の午後とかどうでしょうか??」
佐「あぁ、待ってる。THREEDAYSの事務所で頼むわ。」
「事務所・・・ですか・・・」
佐「都合悪いか??お前忙しいやつだからな。まぁ当日でもいいぞ。桐生と錦との打ち合わせは終わってる。当日少し早めに来れるか??」
「・・・わかりました。当日会場で・・・失礼します。」
今はまだ事務所に行く勇気はない。
「それにしても・・・・何で私に話が通ってないのかな・・・今は・・・打ち合わせ終わってるかな・・・電話してみるか・・・」