全てを愛して
猛「そういえば、心愛は二人の上司になるわけだよね??」
凌「まぁね。」
猛「でもコンサートの時、二人が仕切って設営してるじゃんか、二人もそれなりの地位なんじゃないの??」
凌「確かに俺らも頭はれるくらいだけど、うちの部署にはそれぞれチームがあって、俺と瞬のチームは知っての通り、コンサートの時にいつも来るメンバーなんだけど、心愛のチームだけ特殊なんだよ。チーム自体のレベルが半端ない。会社もそれを認めてるから、あいつは部署の頭にいるんだよ。見本みたいな感じかな。」
瞬「チームのレベルもだけど、心愛崇拝者ばっかだよな。」
凌「チッ・・ほんとだぜ・・・」
猛「崇拝者??」
瞬「そう。俺と凌駕なんて、心愛と幼馴染みで仲良いから、凄い嫌われてるんだよね。嫌われてるって言うか嫉妬かな・・・当たりがね、俺はまだ良いけど、コイツはしょっちゅう喧嘩してる。」
凌「腹立つ連中なんだよ・・・コンサートの時にわかるよ。」
猛「ふーん、なんか別の意味で楽しみだな・・・心愛の仕事も見れるし。」
二人は苦笑しながら
瞬「仕事中の心愛は別人だけどな。」
凌「だな。あんな凌兄~って言ってくれないし。」
瞬「仕事とプライベートはハッキリと分けてるからな。」
猛「へぇー、なんかそれはそれで楽しみ。」
微かに煙草の香りがしてきた。
凌「ったく・・・」
凌駕は素早く立ち上り心愛の部屋に入っていった。
猛「心愛って喘息あるって聞いたけど、酷いの??」
瞬「んー・・・まぁ吸入器だけじゃ駄目な時もあるから酷い方だとは思うけど、あいつ煙草やめないからなー・・・あの煙草・・・優真と同じ煙草なんだよ・・・今までずっと吸ったことなんてなかったのに3年前から急に吸いだして・・・」
猛「・・・」
瞬「あっ、ごめん余計なこと言っちゃって・・・」
猛「いや、大丈夫だよ。どんなことも知りたいから。」
西園寺優真か・・・
あいつが心愛の心に居続けるのは気にくわないけど、仕方ないか・・・
凌「はぁ??まじかよ。」
「大まじだよ。」
二人が話ながら出てきた
「猛さん、待たせてごめんね??」
猛「大丈夫だよ。」
「すぐ作るからねー。」
凌「何作るの??」
「和食食べたいんだってさ。」
凌「猛さん、茄子食べれる??」
猛「うん、好きだよ。」
凌「じゃあ俺も1つ作ろうかな。」
「凌兄もしかしてあれ作るの??」
凌「そう、お前の好きなやつ。」
「やったー!!あれ好きー!!」
こう見ると、やはり兄妹に近い関係なんだなと見てとれる。
心愛も、心から安心しているようで、本来の素の笑顔が見られ可愛さ半端ない。
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「ごはん出来たよ??」
猛「うまそーーー!!!」
塩サバ、豚汁、ホウレン草の胡麻和え、茄子の煮浸し、筑前煮、豆腐サラダ
瞬「塩サバ俺らのもあるじゃん。たくさん買ったの??」
「ん??・・・・・・あ、いや普通に自分に猛さんと瞬兄と凌兄も人数に入れてたー。無意識だ、怖い怖い(笑)」
瞬「なんだそれ」
そう言いながら心愛の髪を撫でる瞬の顔は穏やかだ。
「じゃあ食べよー!!」
「「「「いただきまーす!!」」」」
猛「・・うっま!!」
「良かったー。」
心愛の作った味噌汁毎日飲みたいな・・・
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凌「じゃあ俺ら会社戻るから。」
中抜けで来ていたようで、二人は帰る支度をしていた。
「あっ、この書類私の机の上に置いといてくれる??」
凌「いいよ。じゃあ猛さん、また。」
猛「うん、休みLINEするから。」
瞬「楽しみにしてるねー。」
ガチャン
「随分仲良くなったね??」
嬉しそうにこちらを向いた
猛「弟出来たみたいで嬉しくてさ。しかもあの二人俺と趣味一緒なんだよ。」
「もしかしてバイク??」
猛「そうそう。」
「猛さんも乗るんだね。私もよく乗せてもらうんだよ。」
猛「じゃあ今度俺の後ろも乗る??バイクだったらメットしてるから顔見えないし。」
「でも・・・」
猛「大丈夫だから。」
俺がそう言うと
「ん、楽しみにしてるね。」
そう笑った。
俺達の関係はまだ始まったばかり