全てを愛して
俺らはステージに戻り、音響チェックを始めた。
俊「んー・・・・あぁー、なんか良いのが浮かんできた・・・心愛どこにいるかな・・・」
幸「えーっと・・・・・あぁ、あそこだ。こっ、じゃなくて結城さーん!!」
「!!・・はーい!!今行きます!!」
心愛がこちらに走ってきた。
ついでに後ろに黒崎もいる。
「お呼びでしょうか??」
俊「あのさ、舞台だけど・・・少し変更できる??」
「はい。できます。あ、ちょっと待って下さい。はい、結城・・・・了解、物を運んで。リーダー結城より連絡、チーム結城至急ステージ集合・・・・・すいません、どの辺りを変更されますか??」
俊「この辺りなんだけど・・・段を1つじゃなくて階段みたいに高くしたい。」
「なるほど・・・・わかりました。リーダー結城より錦リーダー聞こえますか??・・・・・変更です、ステージの段を一段じゃなくて10段にして下さい・・・・任せます。お願いします。・・・・錦に一任しましたので、その件は錦にお願いします。」
俊「ありがとう。」
「いえ、なんなりとお申し付け下さい。
黒「主任、トラスきました。」
「はいよ・・・では失礼します。」
頭を下げてステージに戻った。
「インパの充電大丈夫??」
黒「大丈夫だと思いますけど、念のため予備も用意しました。」
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心愛が高いところに登って、電動の工具を使って仕事をしている。
俊「あぁ見ると・・・本当作業員だな・・・」
幸「うん・・・あんなでかいの肩に乗せてよくやるよ・・・」
猛「すげーな・・・」
凌「俊樹さん、ステージどうでしょうか??」
俊「うん!!いい感じだよ。サンキューな。」
幸「ねぇ、あれって重くないの??」
凌「重さ自体はそんなに。でも長いのでバランスとるのが大変で、一人であんなのやる奴は心愛だけ。」
幸「すげーな・・・」
凌「それにしても・・・・あんな技どこで磨いたんだ・・・」
佐「お前知らんのか。」
凌「佐伯さん・・・」
佐「心愛はな、俺に連絡してきてはうちの倉庫でトラスの練習してるんだ。」
凌「えっ!?」
佐「多分心愛は今できない組み方はないだろうな・・・トラスだけじゃない。他の物も全部できるはずだぞ。」
凌「ただの飲み仲間じゃないんですか??」
佐「そりゃ飲みに行くだけの時もあるけどな。そうじゃない時だってある。あいつはあいつなりに努力してるんだ。女だからって・・・あいつはよくナメられるだろう??それを仕事で見返してる。大した女だよ。」
凌「確かに・・・」
佐「あの容姿だしなー・・・初めて心愛と一緒に仕事する輩は、だいたい下心で近付く。それに流されるような子ではないがな。」
凌「そうですね・・・だいたい一人二人いますもんね。」
佐「ほら言ってるそばから・・・」