夏色の初恋を君にあげる




「凛子、じゃあねー」


「うん、ばいばい」


友達も帰り、徐々に教室からクラスメイトが減っていく。


いよいよひとりになってしまうと、私は自分の机で由良くんを待った。



なにげなく窓の方に顔を向けると、視界が眩しい夕焼けのオレンジ色に染まる。


まるで絵の具で塗りたくったかのように鮮やかな空。

由良くんにも見せてあげたい……そんなことを考えた、その時。


「凛子さん、お待たせ」


鈴が鳴るような透きとおった声音が聞こえてきてそちらを振り返れば、教室の入り口に由良くんが立っていた。


「由良くん!」


その姿を目にしただけで、心が浮き足立つ。


「ごめんなさい、足止めして」


「ううん、暇だったから大丈夫。どうしたの?」


「ちょっと、凛子さんの顔見たくなって」


「え?」

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