キミ、依存症


簡単にも逃げ場を塞がれる。


「菜乃があまりにも可愛いこと言うから」


「可愛いこと……?」


そんなこと言った覚えもないし、そんなこと考えている余裕すらないのに。


「菜乃ってさ、意外と独占欲強い方なの?」


ハルの指先が太ももに触れる。


こんなところを触れられるのが久しぶりで、思わずビクッと体が揺れる。


「っ」


その手はヒンヤリとしていて、熱くなっている私の体にはむしろ心地よくも感じる。


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