キミ、依存症


「……何考えてるの?」


耳にハルの吐息がかかる。


そんなことをされると余計に何も考えられない。


「や、やだっ…」


本当は嫌じゃない。そんなこときっとハルにはバレバレなんだ。


いつも通りの余裕の表情が逆に悔しい。


「知ってるよ。菜乃のやだはもっとって意味でしょ」


ぐぅの根も出ないのは本当だから。


悔しくて私はハルのネクタイに手を伸ばしてそのままを解いた。



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