先生と準備室 後編
「佳奈!大丈夫か!?」

イタい。

その言葉を発した瞬間扉の向こうから

凌久の声が聞こえた。

「うぅ…ごめんね…凌久…ごめん…」

「佳奈?こっち来て?」

扉のノックの音と凌久の優しい声。

「やだよ……」

合わせる顔なんて無いし、そっちに行ったら

フラれちゃうのかな…?

「お願い…顔…見せて?」

その声を聞いた瞬間私は無意識に

自分の部屋の扉を開けていた。

その声に弱いんだ。私って。

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