好きになっては‥‥いけない人

⑦・・知る


花····

日曜日の朝
大輝さんの引っ越しの手伝いに行く。
車と思っていたけど
大輝さんから心配だから電車か
バスでくるようにと言われた。

玄関を出るときに
「あらっ、花でかけるの?
芹那が、帰ってくるって。」
「えっ、お姉ちゃんが?」
「そう。」
「あ~、前から約束だったから
ごめんなさい。
お姉ちゃんには、また連絡する。」
「昨日決まったからね。
しかたない。
お姉ちゃんには、伝えておくね。」
「うん、ごめんね。
あっ、お母さん。
今日少し遅くなるかも。」
「うん、わかった。
   気をつけてね。」
と、母と話して家をでた。

小百合は、楽しそうにしている
花を見て、彼氏の所に行くのがわかった。
嬉しそうな花に
小百合の顔も綻んだ。


花は、大輝から教えられた駅についた。

「道わからないからタクシーで行く。」
と、言ったのに
「俺が迎えに行くから。」
と、言ってくれた。

駅から出ると
大輝が待っていた。
「大輝さん、おはよう。」
「花、おはよう。
  せっかくの休みにごめんな。」
「全然、大丈夫。」
と、花が車に乗ると
大輝は、花の唇にチュッとして
ハンドルを握った。
「‥‥もぅ、外!!」
と、真っ赤になりながら言う花に
「だって、花が可愛いかったから。」
「なっ、可愛くないから。」
と、言うと
大輝さんは、クスクス笑いながら
運転を開始した。

大輝さんの前のマンションは、
ほとんど片付け終わっていて
新しいとこに移動となっていた。

マンションは、
クリーニングが入るから、
簡単に掃除するだけで
良いと言うことだった。

二人で部屋に入ると
「先輩、まじで人使いあらいっすよ。」
と、言いながら
掃除をしている男性がいた。

「あ~、山名、悪いな。」
「心、こもってないですから!」
と、その山名さん?が振り向いて
「わぁっ、ちょ~、可愛い。」
「バカ、見んな、しゃべるな
花が、びっくりする。」
「ええっ、そんな!」
二人のやり取りを聞いていて
可笑しくなって笑っていると
大輝さんが、いきなり抱き締めてきて
「花。山名に笑い顔みせるな。」
と、言うから
「ん?」
と、思っていると
「まじで、ヤバイんですけど。」
と、山名さん。
「山名、見んな!!
   花は、俺のだ。」
「先輩の彼女さんですか?」
「ああ、そうだ。
花、俺の後輩の山名だ。
今日、手伝いがしたいと
きかないからさ、仕方なく。」
「ええっ、先輩が来いって
言ったじゃないっすか?」
と、言いあう二人

花は、笑いながら大輝の腕から離れて
「綾瀬 花です。
今日は、ありがとうございます。」
と、言うと
「山名 葵です。
秋葉先輩の下で営業やってます。
まじで花ちゃん、可愛い
先輩なんかやめて、俺にして」
と、言う山名さん
「花、山名になんか挨拶しなくて
よいから。
ば~かっ、山名になんか渡すか」
「先輩!!
どんだけ、溺愛してるんですか?
だけど、驚いた。」
「??」
「だって、先輩、会社では
クールで、女性とも殆んど話さないし
まあ、クールと言うより冷たいかな?
仕事は、めちゃくちゃ
出来るんですけどね。
俺、正直、先輩は、
男に興味あるんじゃないかと、
思っていたんですよ。
だけど、こんな可愛い彼女がいたら
回りは、いものこみたいですね。」
と、言うから
私は、可笑しくなって
またまた、笑ってしまった。

それからも、三人でわいわい
しながら掃除して引っ越しを完了した。

家具や家電の配置も終わり

私達三人は、定番の引っ越しそばを
食べて、山名さんは帰って行った。

一日手伝ってもらうのは、
申し訳ないから。

後の細々したものは、
大輝と花で片付けて
不足しているものを二人で
買い出しにでかけた。

だいたいの片付けも終わり
「後は、ぼちぼちやるよ。」
と、大輝が言ったけど
「台所だけは、終わらせるね。」
と、言い花はやり終えた。

「花、今日はありがとう。
土曜日まで、仕事だったのに
ごめんな。」
「ううん、楽しかった。
山名さんにも会えたし。
私の知らない大輝さんを
知ることができたし、クスッ」
「山名なんかいいんだよ。」
と、言って花を抱き締めながら
「花、これ。」
と、渡されたのは······鍵
「これっ、私に。」
「うん、いつでも来て欲しい。
本当は、一緒に暮らしたいけど
花の職場は、実家の方が
近いから。
花、きちんとまた伝えるけど
俺は、この先もずっと
花と一緒に生きていきたいと
思っている。
だから、花も頭においといて。」
「‥‥うん。うんっ、大輝さん
    大好きっ、ありがとう。」
と、涙を流しながら言う花の
涙を拭きながら、
目尻にキスをする大輝
「花、愛してる。」
と、再び唇にキスをしながら
「今日は、我慢する
次にきたときには、朝まで
寝かさないからな。」
と、言われて
真っ赤になりながら花は、
「‥‥‥もぅ‥‥。」
ほんと、大輝さんにはかなわない。

外も暗くなり花は、
大輝から送ってもらった。
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