好きになっては‥‥いけない人

そんな三人の口火をきったのは

  ·········わたし·······

「秋葉さんは、お姉ちゃんの
彼氏さんなんですね。
姉の事、よっ、宜しくお願いします。」
と、頭を下げた。
「めい!!」と、大輝。
「花、何を言っているの?」と、母。
「‥‥‥‥だって‥
お母さんだって、そう思って
いるでしょ!!!
私と大輝さんを見て
お姉ちゃんは·····ショックで······
ブレーキを·······
踏まなかったんじゃない····かと······
私が······私が······
お姉ちゃんを·······
追い詰め·······たんだと‥‥‥」
と、言うと
“パーン”
と、言う音と共に
頬に痛みが······
母に頬を叩かれたんだ。

頬を押さえながら‥母を見て‥
私は、その場から走り出した
「めいっ!!」
母の声が聞こえたが
私は振り返らなかった。

走って駐車場につき
自分の車の影に座りこむ

はぁっ、はぁっ······と、
息づかいが聞こえ·····

足元に革靴が見え·······た·······

「‥‥こない‥‥でっ!!」
と、言う私を
大輝さんは、抱き締め
「俺が、愛してるのは花だ。
めいを心から愛している。」
と、言った。

私は、大輝さんに抱きついて
声をあげて泣いた。

少しして私が落ち着くと
大輝さんは、
私に深くキスをしながら・・
何度も、愛していると告げた・・

そして・・・
「いいんだな?
俺が、芹那のそばにいて。」
と、言われ
私は、コクンと頷いた。
「めい、俺の目を見て言え!」
と、言われて
顔をあげる·······と······
大輝さんの顔は······悲しみに溢れ······

私は、首を何度も横に
ふりながら・・・
「‥‥‥おね‥がいっ‥しま‥す‥」
と、言うと
大輝さんは
「‥‥‥‥わかった‥」
と、言って、その場から離れて
病院の建物の方に戻って行った。

私は、大輝さんの後姿をみながら
その場に泣き崩れて
一人、いつまでも泣いていた。
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