あふれる笑顔
ピンポン。

忘れ物か??

「はい。」

声をかけながら玄関に行くと

「圭ちゃん!」と声が聞こえた。

うん??

彩ちゃん??

ドアを開けると、転がり込むように入ってきた。

「洋ちゃんは??
咲は?」

過呼吸になりそうな彩ちゃん。

「大丈夫?
咲は今、出掛けたよ。
たぶん………洋介と一緒だと。」

「やっぱり…………。」

凄い落ち込みに

洋介の悪ふざけに腹が立つ。

「ごめん。
洋介が咲をからかって、出掛けることになったんだ。
浮気じゃないから安心して。
遊園地に行くって言ってたから………追いかけよう!
ちょっと待ってて、ささに連絡する。」

店番の交代と遊園地の場所を聞くためにかけると

「ハイハイ。
店番、オッケーだよ。
遊園地は…………」とつらつら答える。

まるで俺が聞くことを予測していたように。

…………………………アイツら………………。

怒鳴りたいのは山々だが

隣には意気消沈の彩ちゃんがいる。

これ以上怯えさせてもと思い、飲み込んだ。

今度覚えてろよ!
< 14 / 121 >

この作品をシェア

pagetop