身ごもり政略結婚
どうしてそんなことを知っているの?
私は驚いて彼から離れ、視線をあわせる。
「少しは勉強しただろ? 車での移動中は妊娠出産の勉強をすることにしたんだ。本当はつわりを代わってやりたいけど、できない。こんなことじゃ足りないのはわかってるけど、結衣の支えになりたいんだ」
「大雅さん……」
まさか、彼がそこまで考えてくれているとは知らなかった。
昼食をとることすらままならないことがあるという彼は、毎日分刻みで動いている。
そのため、移動の時間が休憩代わりだと麻井さんが言っていたのに。
「それに、結衣はなにもしてないって言うけど、一番大きな仕事をしてくれているだろ? 赤ちゃんを育てるっていう、俺にはできない仕事を。だからつらいときは俺にあたって。それくらいしかできないんだ、ごめんな」
大雅さんは私のお腹に手を当てながら優しく語る。
私はそれを聞いて涙をこらえられなくなった。
さっきまでの悔し涙とは違う、喜びの涙を。