身ごもり政略結婚

「えっ、大変!」


切迫早産って、ひどければ入院になるはず。


「そう。八坂社長の奥さんにもマタニティブルーがあって、結衣みたいにいろんなことで不安になって泣いてばかりだったらしいけど、それ以来、『絶対にお腹の子を守る』と強くなったらしい。今ではもうすっかり立派なママの顔をしてると言ってた」

「ママの顔……」


私も八坂社長の奥さまみたいに強くなれるだろうか。


「初めての妊娠で不安にならない人なんていないんだよ。皆時間をかけてママになるんだ。俺もちゃんと父親ができるのかと、正直今でも思ってる。でも、全力で結衣もこの子も守るという気持ちだけは嘘じゃない。だから、俺も家族に入れてくれないか」


彼は切なげな表情で私を見つめる。


「もちろんです」


震える声で返事をした瞬間、もう一度強く抱きしめられた。


「いいのかな?」
「なにが?」
「私……つわりで仕方がなかったとはいえ、大雅さんの妻としてまったくなにもできていなくて……。妻失格だと」
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