身ごもり政略結婚

「そうでしたか。麻井さんのときには、全部教えて差し上げられるかと。もちろん大雅さんが先生です」


彼は絵本を買い込んできて読み聞かせもしたし、童謡を歌ったりもしていた。

全部必死に勉強したんだろうな。
産まれる前から最高のパパだ。


「期待してます。皆、あの専務が育休なんて言い出したと驚愕ですよ。そんなイメージ皆無でしたからね。専務をとろけさせるくらい奥さまが素敵な方なんだろうなって、こぞって会いたがっています」

「いえっ!」


特になにもしてないから、ハードル上げないで!


「私もそう思っています。友人として……専務を救ってくださってありがとうございました」


突然真顔でお礼をされて、涙腺が緩みそうになる。

大雅さんが心を閉ざした理由も、その過程も全部間近で見てきた彼は、本当に心配していたのだろう。
とても素敵な友人だ。


「こちらこそ。大雅さんを見守ってくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いします」
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