身ごもり政略結婚

「行ってくるな。あっ、多分、今日帰ったら相談があるからよろしく」

「相談? なんですか?」

「うーん。まだ決定じゃないから帰ってきてから」


彼は愛結を私に渡して、頭を撫でてから出ていった。



午前中は愛結も元気いっぱい。

私は彼女を連れて、千歳に向かった。

最近はこうして週に何度か、千歳で働き始めている。
といっても、愛結を見ていなければならないので戦力にはならない。

しかし、大雅さんが家に籠っているとストレスがたまるからと勧めてくれたのだ。


新たなデザインを考えたり経理をしたりという裏方が多いが、父や春川さんの手が空いたときは愛結を任せて、土井さんと一緒に接客もこなした。


父も愛結と遊べるのが楽しくてたまらないらしく、私たちが来るとわかっている日は朝の仕込みの時間を前倒ししていると、春川さんに聞いた。


あの頑固者がデレるとは。孫の力、恐るべし。

春川さんも子供好きで助かっている。
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