ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
「っはぁ……は、……っ……」
ひとしきり吐いてしまうと、ようやく呼吸が戻ってきた。
悪阻、大丈夫だって思ったのに……
私って、こんなに繊細な奴だったっけ。
脂汗をぬぐいながら、トイレの床にだらしなく座り込み。
手の中のコースターを見下ろした。
ビクビクしながらもう一度、鼻を近づけてみると……やっぱりコレだ。
間違いない。
そこから漂ったのは、タバコじゃなかった。
その匂いは――香水だった。