ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
後方から、切り裂くような悲鳴。
振り向いた私の視界に。
映ったのは、不気味に揺れ動く、大きな影だった。
「な……」
花瓶、だ……
巨大な花瓶が、台座の上でぐらりと揺れ動き……ゆっくりと倒れてくる――こっちに!
パリッパリン……
持っていたグラスが、指の間から滑り落ち。
音を立てて砕け散る。
無意識に後ずさった踵が、固い壁に当たり、私を阻んだ。
私はただ壁に張り付くようにして、絶望的な思いで立ちすくむ。
ダメだ。
もう、動けな――