ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
『ずっと言いたくてたまらなかった。キスしたい。抱きたい……君が、全部欲しい』
「ちょ、ちょっとやめ……」
まるでベッドの上でささやかれてるような、煽情的な台詞。
これって、なんか……
『ねえ……今度さ、電話越しにシようか。テレビ電話でもいいけど、声だけでもイける自信あるな。君の喘ぎ声って、ほんとに――』
「バッ……!」
大声を上げそうになって。
慌ててくるりと背を向けて声を潜めた。
「どどどうしてそういう変なことばっかりっ……!」
『あはははっ……賭けてもいい。絶対今、顔真っ赤だろ』
「っな、な……!」
その通りだけど!
認めるのは癪で、むくれたままパタパタ顔を扇いでいたら。
電話の向こうで響いていたライアンの笑い声が、ブツっと途切れた。
「……ライアン?」
振り返ると、彼は……どうやらどこかを一心に見ているようだ。