ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
――それなら一言くらい、連絡くれてもよかったのに。
――それは……ほんとにごめん。飛鳥の声聞いちゃうと、ストッパーが外れるっていうか、我慢できなくなって会いに行ってしまいそうだったから。
隙を見せたくなくて、あえてすべてのコンタクトを断っていた、と言われてしまったら、何も言い返せないけど。
一体いつまで我慢しなくちゃいけないんだろう……
『なに見惚れてるの?』
揶揄うような声がして、ハッと我に返った。
数十メートルの距離があっても、彼がこちらへ、さりげなく視線を向けてるのがわかった。
「みみみ、みとれてなんか、ないし」
なんとなくどもってしまいながら、視線を逸らすと。
『愛してるよ』
耳元で声がして、ドキッとした。
「っちょ、何、言って……ダメでしょ、周りに聞こえて……」
『大丈夫だよ。僕が女性を口説くなんて、もう当たり前すぎて誰も気にしない』
「そうかもしれないけどっ……」