ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
嫌だ。
それだけは絶対に、受け取るわけにはいかない。
<総帥、僕にはもうフィアンセが――>
首を振り一歩も動かない僕へ、総帥はやれやれといったようにため息をつき、中から……何かを取り出した。大判の写真だ。
そして、ぺらりと僕の目の前へ、よく見えるように突き出す。
顔を背けようとして、一瞬遅れた。
視界の端に女性の姿が映り込み――自分の目が信じられなくて、フリーズする。
それから視線をゆっくり戻し……
<なっ……!!>
口が、あんぐりと開いた。
<どうだ、文句のつけようのない相手だろう>
無表情だった顔が、わずかに動く。
一瞬だけそこに、まるで悪戯が成功した子どものような笑みがよぎった。