ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

<そんなお前が、突如変化した。自分の意志でグループの庇護を離れ、自ら道を模索し始めた。調べさせてみれば、どうやら一人の女の影響らしい>

なんだか顔に熱が集まってくるような気がして、口元を片手で覆った。


そうだ。
僕は……変わった。飛鳥に出会ってから。

彼女はいつだって、真っすぐひたむきに、高みを目指していて。
いつの間にか、そんな彼女にふわさしい男になりたいと思うようになった。
そのためには、今のままではダメだ、とも。


<そんな稀少な女は、そうそうおらん。もはや彼女がお前の“翼”であることに、わずかの異論もない>

<つば、さ……?>

戸惑う僕へ、総帥がまた、ふっと小さく笑った。

<なんだ、忘れてしまったか。わしと約束しただろう。必ず見つけると>


約束? って何のことだ?
見つける……?


眉を寄せる僕を見つめる眼差しは、穏やかだった。
それは幼いあの日、初めて出会った日と同じもので――……


寄せる波のように、脳裏へ鮮やかな記憶があふれ出した。

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