ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

――ああ、何だよ?

――君の名前を、僕の息子にもらってもいいかな。

――名前?

――そう。彼に君のような男になってほしい、そして君のような友人を作ってほしい、そんな願いを込めて。


なんだかちょっと、くすぐったいけどな。
小さく笑いながらもう一度、幸せそうな家族写真を見て――

「そうだ」と顔を上げた。

サラダを盛り付けていた奈央さんが、「ん? なあに?」とこっちを見る。

「今年の夏さ、新しいプロジェクトの契約結ぶためにシンガポール行くんだけど、一緒に行く?」


「え、いいの? 行――」
「行くっ!!」

ちゃっかり話を聞いていたらしい優羽が、リビングで手を挙げ。
パタパタと駆け寄ってきて、足元にまとわりついた。

「パパ、優羽も一緒に行っていい?」

「いいよ。夏休みに入ったら、みんなで遊びに行こう」

「やったぁ!」
「よかったわね優羽、たっくんに会えるね」
「うん!」

< 389 / 394 >

この作品をシェア

pagetop