きみと一から始める私
01
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「…ねーちゃん、いつまでそのカッコで学校いくつもりなわけ?」
5月。
高校生になって早1ヶ月。
真新しい制服もやっと肌に馴染んできたある日、朝ごはんのトーストをかじりながら弟の陽太(ようた)が上から下、下から上へと品定めするかのような視線を私に向けた。
「いつまでって…もうずっとこのままだよ」
「うえーマジかよ。クソだせぇ」
しかめっ面でため息をつかれたけど、今更どうこうするつもりなんてもちろんない。
「普通高校入ったら髪染めたりピアスとか開けるもんじゃねぇの?何その逆デビュー」
うん、そうだよね。きっとそれが普通なんだと思う。
ていうか、私だってそういうのに普通に憧れてたけど、でも。
「…もう決めたことだから」