愛を知らない私を愛して
そんなに壁を作ろうとするの?
「依茉ちゃんを傷つけたくない。まだ若いし俺に親権が渡ったら子供のことも考えなきゃいけない。なにより奥さんが依茉ちゃんに危害をくわえかねない……」
「危害? どういうこと? まだ奥さんは渚くんのことが好きなの?」
だって最初に言ってた。
渚くんの仕事のせいで奥さん自身が変わってしまって別れたって……
「……分からない……でも教えてないはずの家には来るし連絡も来る。アイツに依茉ちゃんの存在が知られたらなにするか……」
そう言う渚くんは不安に満ちていた。
……そっか……だから家にも呼ばなかったってこと……?
全部私のことを考えて……