課長、恋しましょう!
黒と見間違うほど暗い焦げ茶の髪に、なめらかな頬と、薄桃色の唇。ややとろんとしたまなじりに、ちぃと強気な眉。

灰色っぽいジャケットに、染みなんてありゃしないブラウス。その向こうの膨らみは、まあなんだ、立派だ。

ともすりゃ、それは別に全体が太いからそれに助長されってんじゃないんだな。ぴ、きゅ、と着こなされたジャケットの腰はくびれ、タイトスカートが流れるような太ももの曲線を描いとるわ。

ストッキングがぴたっとフィットした膝からのラインも……

「うーふーふーふーふー」

「な、なんだ、いきなりドラえもんみたいな笑い方して……」

「いえいえっ、深い意味はありません。ただ課長の目がちゃんと、だんだん男の目になっていったので」

「……」

「嬉しいんですよ私。なんだかんだ言って今、私にえっちぃ感情持ったでしょう? うーふーふー、してやったりです」

「バカ、お前、そりゃ、」

チン、とベルが鳴り、エレベーターが止まった。


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