幼馴染は恋をする
ピンポン。
「朝です」
カチャ。
「…朝ちゃん、……おかえり」
あ…。
「あー、さあ入って」
「はい」
…あれ?
「恵和君…」
「恵和は……朝ちゃんが来るまで話をしてたんだ。これから朝ちゃんはうちに来たりするからねって。それで、なんだか急にお母さんのところに行きたいって言い出して。話がしたいんだって言ってね」
恵和君…。
「あの、恵和君もしかして」
まさか、お母さんのところに行くって、無理して言い出したりしないだろうか。
「解らないんだ。何を話すのか聞いても言わなくて」
「私のせい?何か考えたんじゃないでしょうか」
「いや、そこまでは大人じゃない。今日、朝ちゃんの家に行って、全く知らない家に行くのも初めてだったし。何かを考えたことは間違いないだろうけど。話は麻衣から聞けば解るから、帰って来るのを待ってようと思う」
「…はい」
「朝ちゃん、親御さんに叱られはしなかった?あんな話をしてそのままおいてくる形になってしまったから、心配で。親子と言えど、こんな話になると冷静ではいられなくなることもあるから」
「大丈夫です。叱られたりなんかしてません。叱りたくても叱れなかったんじゃないかって思います。対等に話せるほど私が大人じゃないから。とにかくショックだったらしくて。それ以上今日は話せないって」
だからといって私が前もって話せていたかとなると…。
それほど、子供な部分があるってこと、解ってる。話すと何を言われるのか、どうしても先に不安があるからだ。