幼馴染は恋をする
「結果として上手くことが運んだということかな…」
「え?」
「ん。あ、お茶入れてくれないか、あっちの部屋に行こう」
「あ、はいはい」
「はい、どうぞ」
コトッと置かれた湯呑みから湯気が上がっていた。
「有り難う、すまんな。んー、…ふぅ。お茶が旨いと思い始めたのはいつからなんだろうな…」
「ぇえ?どうしたんです?」
「んん。…変わりないつもりでいても歳はとったということだ。朝だってもう子供だと言えなくなったんだな。……謀った訳じゃないだろうが、柳内さんは朝と、朝が中学の時にはつき合わなかった。本当に相手にしなかったのだろうな。子供だ。高校生になってからもだ。まだ未成年だ。私達が何も知らず、隠れてというか、コソコソつき合っていた訳じゃない。もしそうだったら…」
「つき合わせない…朝を、何がなんでも引き離していたでしょうね。こんな子供とつき合ってるだなんて、どういうつもりなのって」
「そうだ。…二度と会うな、とか、……子供になにしてるんだ、とか、口にしたこともない罵声をあびせて……私は殴っていたかも知れない…」
「そうですね。そして朝も傷ついて…とても普通にはいられてなかったでしょうね」
「そうなんだ。そういうつき合い方をされていたらだ。だけどそうじゃなかった」
「朝もでしょうが、我慢したんでしょうね、ひたすら、柳内さん」
「…ん」
「中学を卒業して高校を卒業するまでは、って。……迷いもあったでしょう…」
「…ん」
「どうして朝は…歳の離れた人を好きになんてなったんでしょう、……はぁ、いい人そうだけど、でも、…賢そうな子供さんだったけど、子供も居るなんて…。つき合うだけだとしても二人きりじゃない、結婚となると大変なことしか想像がつかないのに…」
「何も解らなかったからただ好きになったんだろうな、難しいなんて考えない。簡単じゃないって解ってるのは大人だけだ」
「あ。そうですね…。そうかも知れませんね。朝はただ好きになった…」
「ん」
「…どうしましょう」
「ん゙。今の今では何も考えられん。とにかくショックだ。ショックでショックで胸が…寂しさやら何やらで…苦しくて堪らない…」
「…あなた」