幼馴染は恋をする
「朝……」
「怖い目に遭ってるんじゃなくて、大分大人の人を好きだって、そんな事、正直に、心配してるからって、親に言える話じゃないから。だから言えないだけ。だから、何でもない大丈夫ってしか、言えない」
「あ、あぁ、そうか、そうか、心配……違う心配っていうか、なに言ってるみたいになるからか」
「そう。だって、その人、保育園に行ってる子供も居るし」
「…あ゙?」
「ちょっと……驚き過ぎ。大人の人だもん、子供だって居るよ、普通」
「お、ちょ、それって…」
……不倫?あ゙ー、朝が、不倫?中学生が、不倫?…あぁ、まだ、何もしてないんだった。あ?してなくても好きなら不倫になるのか?……してないって。……。
「…顔、変になってる。不細工になってる」
「あ?俺?俺か」
「なに考えてるの、想像し過ぎ…」
「あ、いや…」
「……ただ好きなだけ。それだけ。勝手に思ってるだけだから。向こうは知らない」
「そうだろ、そうだろ、そうだと思った」
「フ。そうだろって…そんな風に思わなかったくせに」
…。
「…やらしー」
「ば、馬鹿、違うって」
だけど。
「どうしてそうなったかは言わない、だけど…リョータ君には、他に好きな人が出来たのに、このままじゃ駄目だから、言わないとね」
「…なんて」
言うんだよ。普通に、他に好きな人が出来たって言うのか。
「好きじゃないのに、曖昧につき合ってごめん、て言う。いきなり言われて、それでいいって言われたけど、やっぱり変だからって」
じゃあ、なにか。今も全然、気持ちに変化はないままだったのか。
「…ずっとこのままって良くないよ。だったら友達でいいってくらいの気持ちじゃ、つまんないだろうし」
あぁ、んー、ま、ぁ。食い下がられたらどうするんだ。一緒に居たら好きになってくるんじゃ?、って。…それには日が足りないのか…。
「言ってみなきゃ分かんないけどね。それでも、卒業したら一緒にはいられないんだからって思ったら、冷めるんじゃないかな…一緒に居ないと意味ない気がする…」
……んー、俺には難しい。今もそうだけど卒業したって居たけりゃ休みとか、会える時間を目一杯使えばいいんだし、そうするだろ。
だから、結局、そうするまでもない、好きじゃないって事だ。