幼馴染は恋をする
「声がでかいんだって…」
「貴浩~?、お風呂、早く入りなさ~い」
「解ってる~」
俺は姉貴の部屋から出ようとした。
「待って。それだけで終わりって訳にはいかないから。…変よ。…言えばいいじゃない」
「あ?」
「朝ちゃんよ」
「あ?」
「なんであんたをだしに使ったのかって話よ。事情があるんだろうけど、お姉ちゃん、ちょっと許せないな」
「…知らないよ」
もう訊問だ。ジッと覗き込まれた。思わず目をそらした。
「こっち見なさい。知らないわけない。知らなくて受けたりしないでしょ?」
「あいつが…誰にも言ってないこと、言えない」
「あんたは知ってるってことよね、その相手。しかも普通に言えないような人。あんたじゃなくても相手が同じ中学生とか、まあ他校の生徒とかならそう言えるでしょ?でしょ?それに居ても居ないって言ってもいいんだし。そこは好きな人は居るって言いたかったのよ。それがポイント」
「もう、自己満の想像はそのくらいにしとけよ、俺、風呂行くから」
「まだ、ちょっと待った。里英も知らないってことね?」
首根っこを掴まれた。
「放せって……はぁ、俺はそこまでは知らない。知らないけど、多分話してないと思う」
あいつはペラペラ喋らないから。
「…益々難しい相手ってことになるわね」
「もう、いい加減にしろよ。絶対余計なこと言うなよ」
「解ってるよ。で、あんたは満足なの?」
「何が」
「偽物の好きな人にされて。それで満足?」
「……別に」
「迷惑じゃないんだ」
「何だよ…」
「呑気ね、ば~かって言ってるの」
「知るかよ」
「貴浩~、温くなっちゃうから…」
「解ってるよ~。
俺らのことはもう放っといてくれ」
「はいはい」
「貴浩~?、お風呂、早く入りなさ~い」
「解ってる~」
俺は姉貴の部屋から出ようとした。
「待って。それだけで終わりって訳にはいかないから。…変よ。…言えばいいじゃない」
「あ?」
「朝ちゃんよ」
「あ?」
「なんであんたをだしに使ったのかって話よ。事情があるんだろうけど、お姉ちゃん、ちょっと許せないな」
「…知らないよ」
もう訊問だ。ジッと覗き込まれた。思わず目をそらした。
「こっち見なさい。知らないわけない。知らなくて受けたりしないでしょ?」
「あいつが…誰にも言ってないこと、言えない」
「あんたは知ってるってことよね、その相手。しかも普通に言えないような人。あんたじゃなくても相手が同じ中学生とか、まあ他校の生徒とかならそう言えるでしょ?でしょ?それに居ても居ないって言ってもいいんだし。そこは好きな人は居るって言いたかったのよ。それがポイント」
「もう、自己満の想像はそのくらいにしとけよ、俺、風呂行くから」
「まだ、ちょっと待った。里英も知らないってことね?」
首根っこを掴まれた。
「放せって……はぁ、俺はそこまでは知らない。知らないけど、多分話してないと思う」
あいつはペラペラ喋らないから。
「…益々難しい相手ってことになるわね」
「もう、いい加減にしろよ。絶対余計なこと言うなよ」
「解ってるよ。で、あんたは満足なの?」
「何が」
「偽物の好きな人にされて。それで満足?」
「……別に」
「迷惑じゃないんだ」
「何だよ…」
「呑気ね、ば~かって言ってるの」
「知るかよ」
「貴浩~、温くなっちゃうから…」
「解ってるよ~。
俺らのことはもう放っといてくれ」
「はいはい」