幼馴染は恋をする

「って、でも、そんな感じじゃん?」

「違うって。今の誠人みたいにばったり会ったんだって」

「にしちゃあ、カフェラテ?飲んでるじゃん。二人してさ」

「これは、さっき買ったんだ。別に飲みたきゃ飲むだろ」

「ん、まあな。ちょっと詰めろよ」

「あ?ああ」

詰めろって言ったって、空いてるだろうに。誠人は俺の横に腰かけた。

「珍しいよな、日曜に会うなんて、それも三人で」

「そう言われたらないな…」

「なんか、甘い匂いがするな…」

口の辺りをクンクンされた。

「あ、バカ、近い。それは食ったからだ、そんなやつ」

「クリーム系?」

「そう、クリーム系。貴浩君が奢ってくれたの、これも」

やっと朝が喋った。

「わ、俺も俺も」

「もう金欠。ポケットにあるだけ使ったから。自分で買って来いよ」

わざとポケットを引っ張り出して見せた。

「…なんだ…それだと何か寂しいな。もっと早く合流してたら良かったよな。そしたら俺のと合わせて楽しく買えてたのに」

「楽しくかどうかは解らないけどな?
あ、朝、そろそろ帰るか」

「うん」

「俺、送るよ」

「うん」

「おい、ちょっと待て、待てや…。なんで俺が来た途端帰る。俺も行く」

「あー、どうする?」

「大丈夫だと思う」

「ちょい、ちょいちょい、何よそれ。えー、全然解らん。何?俺が一緒だと確認が必要な訳?」

「ああ」

…。

「なんじゃそれ…全然解らな~い。なんかこう、俺の知らないところで何かが進んでる…」

「誠人君、お父さんに会う?」

「え?朝ちゃんの?」

「うん、だって今日日曜だから、お父さん居るし、今から行ったら会うよ?紹介しなくちゃ」

「貴浩も?」

「貴浩君は会ってるから紹介はもう、ね?」

「あ、うん」

「なんだよ、その、あ、うん。やっぱり何だか俺の知らない所で何かが…」

「何だよ、もう…面倒臭いな一々。一緒に行くのか行かないのか、どっちにするんだ」

「行く。行くよ。これ以上離されたくない…」

「は?じゃあ、帰ろう」

「うん」
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