洗脳学級
「本当に!?」


「ただし、俺のゲームに付き合ってくれればね」


「ゲームってなに?」


聞きながらも、カノンは目を輝かせている。


想と付き合えばまた自分の立場は安泰だと考えているのだろう。


「それは……。今まで俺にしてきたことを、全部お前も経験することだよ」


想が口角をあげ、おかしそうに笑い声を立てて言う。


「え……?」


想がやられてきたことと言えば、執拗なイジリとイジメ。


それをカノンも受けろと言っているのだ。


「何言ってるの? あたしはやりたくてやってたワケじゃないよ? 浩哉がやれって言うから」


カノンは慌てた様子でそう言った。


自分の立場が悪くなるとすぐに責任転嫁しようとする。


しかし、そんなこと想が許すわけがなかった。


「そっか。じゃあ、俺も仕方なくカノンに仕返しをさせてもらうよ?」


そう言い、躊躇することなくカノンの頬を叩いたのだ。


パンッと肌を打つ音が教室に響く。
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