洗脳学級
☆☆☆

こんなに食べたらまた太ってしまう。


頭の中でそうわかっていても、止まらなかった。


晩ご飯の残りをオカズにして2杯もご飯を食べてしまった。


久しぶりに満腹になったあたしは満足してベッドへと寝転んだ。


「少しくらいいっか。太ったらまたダイエットすればいいんだから」


自分自身に言い訳をして、スマホを取り出す。


それよりも次はなにをすればいいか聞かないといけない。


「ダイエットの次はなにをすればいい?」


アプリを起動して、そう質問をした。


《ボクが解決してあげる! とりあえず、食べたものを吐いてきなよ!》


ウサギからの回答にあたしはその場に固まってしまった。


ウサギはジッとこちらを見つめていて、その目はすべてを見透かしているように見えた。


「で、でも。もう3キロ痩せたんだし」


《ダメだよ。やっと3キロ痩せたのに、大量に食べたら意味ないよ》


ウサギの言う事は最もだった。


でも、吐くなんて……。


躊躇していると、スマホ画面がグニャリと歪んだように見えた。
< 176 / 248 >

この作品をシェア

pagetop