洗脳学級
そう呟き、あたしはぬいぐるみに手を伸ばした。


ウサギの布は湿っぽくて、触れただけで埃が舞った。


もう随分昔からここに置かれているのだろう。


ウサギはジッとあたしを見つめているように見えた。


「おい、なにか書いてあるぞ」


あたしがウサギを持ち上げた時、昌一がそう言った。


「え?」


「ウサギのタグに名前が書いてある!」


そう言われてぬいぐるみをひっくり返してみると、シッポの横につけられたタグを見つけた。


それも茶色く変色していたけれど、黒いマジックで書かれた文字を辛うじて読み取る事ができた。


「美世……?」


あたしは書かれている文字をそのまま読み上げた。


美世。


確かにタグにはそう書かれているのだ。
< 232 / 248 >

この作品をシェア

pagetop