洗脳学級
「あんな質問にも答えるなんて、このアプリ本当に大丈夫なのかな」


佑里香は不安そうな表情でそう言った。


「大丈夫だよ。イジメがいいことなのか悪いことなのか、判断できなくて回答しただけじゃない?」


美世がそう言ったので、あたしも頷いた。


いくらAIと言ってもどこかしら欠点はあるはずだ。


差別用語ばかり学習して問題になったAIだっているのだから、そんなに深刻になる必要はない。


「それよりさ、今日の放課後どこに遊びに行くかアプリに質問してみようよ」


気を取り直すように美世が言った。


「いいね! さっきカノンたちも放課後デートの場所を教えてもらってたもんね」


勉強だけじゃなくて、楽しいことにも沢山使っていきたい。


あたしたちはさっそくウサギへ向けて質問をした。


「今日の放課後、どこに遊びに行ったら楽しい?」


《ボクが解決してあげる! 放課後は駅前のショップに行くといいよ!》


「駅前のショップって、確か新しい店舗が入ったんじゃなかった?」


ウサギの回答を聞いて、あたしはそう言った。
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