洗脳学級
☆☆☆

朝倉高校の2年A組の教室へ入ると、まだ先生は来ていなくてひとまず安堵して自分の席へ向かった。


教室前方にある時計を見て見ると、ホームルーム開始まであと10分は残っていることがわかった。


大急ぎで走ってきたから随分余裕があったみたいだ。


「麗衣おはよー」


そう声をかけてきたのはクラスメートの金杉美世(カナスギ ミヨ)だった。


隣には下町佑里香(シモマチ ユリカ)の姿もある。


2人とも中学時代からの親友だ。


「おはよう2人とも」


「すごい汗。大丈夫?」


佑里香が細い体を折り曲げてあたしを心配してくれている。


「大丈夫大丈夫。ちょっと遅刻しそうになって、走ってきたの」


そう言いハンカチで汗をぬぐった。


「またスマホゲームのやり過ぎ?」


美世がそう聞いて来たのであたしは左右に首を振った。


「違うよ。今日のニュース見てたの」
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